【TOOL】 飛行機の機内にリチウムイオン電池であるパナソニックのUSBモバイル電源パック(旧・三洋のエネループ モバイルブースター)は持ち込めるか?
旅先でもiPhoneなどのデジタル機器をがんがん使い倒す私。ただ、がんがん使い倒しているとバッテリーがすぐ無くなるのがiPhoneの悲しいところ。今度の旅行では真夜中から夕方まで歩きまわる予定で、その間は充電ができません。それに備えて、パナソニックのUSBモバイル電源パックを買い足しました。
左・以前から持っていたパナソニックのモバイル電源パック QE-PL201。
右・今回買い足した後継機 QE-PL202。専用のLEDライトが付くようになりました。
ところで、皆さんは「リチウムイオン電池は飛行機への搭載が制限されている」という話を聞いたことはありませんか?
もし傷付けたら燃えるぞ!と書いてある。
この写真は以前NTTドコモのオンラインショップからスマートフォンが送られてきた時の箱に印刷されていたもの。中にリチウムイオン電池が入っていることの注意が示されています。パナソニックのUSB電源パックに使われてるのもリチウムイオン電池。
充電式リチウムイオン電池と明記されていますね。
果たして旅客機の機内にこのUSB電源パックは持ち込んでよいものなのでしょうか?調べてみました。
結論から先に書くと、日本国内でUSB電源パックを機内に持ち込めない航空会社は、私が調べた限りではありません。但し、許されているのは「機内持ち込み」のみ。カウンターで預ける荷物の中にUSB電源パックを始めとするリチウムイオン電池を入れておくことは、どの航空会社でも許していません。
各航空会社のWebサイトに掲載されている、リチウムイオン電池の持ち込みに関する注意書きは次の通り。
おあずけ・機内へのお持込に制限がある手荷物 | 安全・運航情報 | JAL企業サイト
http://www.jal.com/ja/flight/safety/airport/baggage.html
リチウムイオン電池(バッテリー)を使用する電子機器類について│航空券│ANA国内線
http://www.ana.co.jp/dom/checkin/rules/popup/lithium-battery.html
機内持込み・預け手荷物における危険物の代表例 (ピーチ・アビエーション PDFファイル)
http://www.flypeach.com/Portals/1/pdf/ACS_DangerousGoodsList_JP.pdf
これ以外の各社のサイトでは、国土交通省のサイトで法律で飛行機への持ち込みが制限されている品目を確認するよう案内しています。そのページがこちら。
航空:航空機への危険物の持込みについて - 国土交通省:
http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000004.html
航空:機内持込・お預け手荷物における危険物について - 国土交通省:
http://www.mlit.go.jp/koku/koku_fr2_000007.html
http://www.mlit.go.jp/common/000185234.pdf (リスト・PDFファイル)
これによると、リチウムイオン電池の予備電池は
・ワット時定格量100Wh以下のもの
… 短絡防止の措置が行われていれば機内持ち込みが可
・ワット時定格量100Whを超え160Wh以下のもの
… 短絡防止の措置が行われていれば2個まで機内持ち込みが可
・ワット時定格量160Whを超えるもの
… 航空機への搭載不可
となっています。ワット時定格量…?
ワット時定格量についての説明はANAのサイトに載っています。曰く、ワット時定格量(Wh)=定格定量(Ah)×定格電圧(V)。上の写真をよく見ると、モバイル電源パック・QE-PL202には 20Wh と明記されています(QE-PL201も同様)。ということは「ワット時定格量100Wh以下のもの」に該当するので短絡防止の措置が行われていれば個数に関わらず機内への持ち込みは可能。「短絡防止」については、JAL・ANAとも
購入時の小売り容器に収納するか、あるいは端末を絶縁する(テープ等で剥き出しの端末を保護するか、別々のプラスチックの袋もしくは保護パウチに個々の電池を収納する)
という表現をしているので、これらの措置をしておけば大丈夫ですね。
但し、改めて書いておきますが、許されているのは機内への持ち込みのみ。預ける荷物の中にリチウムイオン電池を入れることはできません。くれぐれもご注意を!
なお、乾電池型のエネループはリチウムイオン電池ではなくニッケル水素電池ですので非危険物扱いとなり、預け荷物の中に入れることも可能です。
※2013年7月30日追記
つい先日富山空港で荷物を預けた時には、カウンターの前のX線検査の段階で「荷物の中にスマートフォンのバッテリーはありませんか?」と聞かれました。預け荷物の中に入れてしまう人が増えているのかもしれません。
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コメント
細かいことですみません。
ラベル表記ですが、「損傷したら燃える」ではなくって、「パッケージにダメージが起きたら搭載および輸送はしないこと」ということですぅ。
このラベルは航空機に貨物として搭載する際に貼付するラベルです。
貨物ですから、輸送中に落下させたり、穴をあけてしまうことがあります。
もし、バッテリが入っている当該貨物の「パッケージをダメージさせちゃったら、もはや飛行機に積んだり、運んだりしてはだ~め~よ~」というラベルです。
リチウム電池、リチウムイオン電池は発火する恐れがあるので、飛行機での輸送はシビアなのです。 リチウム関係の電池がいったん燃え出すと、飛行機の貨物室の消火器では消えず、燃え尽きるか、酸素を遮断するまで燃え続けます。 それが、予備バッテリは「機内持ち込みのみ可、お預け不可」の理由です。
機内持ち込みであれば、飛行中でも人が触ったりできるため、万が一、発火しても、他の可燃物から隔離して延焼を防いだり、ごみ箱に突っ込んで機内サービス用のミネラルウォーターやジュースなどをかけて消化させたりできるのです。(実際にのノートパソコンのバッテリが機内で発火、水没させて沈下させたケースがあるそうですよ。)
投稿: | 2015年6月25日 (木) 18時31分